「そのままで良い」  08.06.08
               使徒言行録 5:1〜11

 だれでも、評判の良い人になりたいと考えるでしょう。
 神さまに喜ばれ、人にも喜ばれる人になって欲しいと思いますし、
神さまも、それは願われることでしょう。
 しかし、忘れてならないことがあります。神さまは、どのような
人のことを喜ばれるかということです。
 それは、人に自慢できるような力やものを持っている人では
ありません。頭が良い、スポーツマン、お金持ち。
 神さまは、それらを何よりもお喜びになるのではありません。
 心の優しい人をお喜びになりますが、それが一番でもありません。
 神さまがお喜びになるのは、神さまに向いている人です。
 神さまのことをいつも忘れないでいる人です。それができない
人は、どんなに立派で、周りの人の評判が良かったとしても、
神さまは悲しまれるでしょう。
 聖書に登場するアナニアもサフィラも、人の評判を気にして
いました。それで、すべてをご存知の神さまの前で生きている
ことを忘れたのでしょう。サタンに心を奪われた二人は、
神さまのことを忘れています。ですから、神と人を欺こうとしました。
 神さまは、二人のことをどんなに悲しまれたことでしょう。
 こんな物語があります。昔ある国の王様が、親をなくした
5人兄弟を養子にすることにし、村に迎えにいくことになりました。
 村人から、王様には良い所を見せなくてはいけないよと聞かされた
5人は、お迎えの準備を一生懸命はじめます。彫刻、絵、歌、勉強など、
それぞれ自分の得意なことを一生懸命します。ところがそれに夢中に
なりすぎて、迎えに来た王様に気づかず、「忙しい」と言って追い返します。
 王様は言います。
 「ただ、皆がどんな一日を過ごしてきたかを聞いて、一緒に笑ったり、
泣いたりしたいのだ。大人はどうしたら私に良く思われるだろうかと
考えるけど、私はありのままを愛している。ただ、向かい合って話を
したいのだ。」
 神さまも、良いものを見せて欲しいと願うのでなく、そのままを
愛してくださる方です。向かい合うことを、何よりも喜ばれる方です。